乳がん手術、セカンドオピニオンは行った方がいい?- 林医師のオピニオン

林 直輝 医師
[オピニオン]
昭和大学病院 乳腺外科教授

セカンドオピニオンというのは原則、現在の医師のもとで治療を継続する予定であるが、提示されている治療方針や、他の方法などがないか別の医師の意見を確認するものです。

乳がんの治療はガイドラインに基づいた標準治療を行うことが基本としてありますが、特に、手術において温存術をするか全摘出術をするか、など根治性だけでなく整容性も考えて決定しなければいけませんので、どちらにすべきか判断が分かれる時もあります。

また、全身治療においても術前に化学療法をすべきか、そもそも化学療法をすべきか、などのガイドラインに準じても医師によって意見が分かれる場面はあります。

患者と医師の信頼関係を構築した上で治療に臨むことはとても大事なことですので、同じ治療を受けるにしても不安を残したままにならないように、どちらか一方の選択肢しか提示されずに十分説明を受けた上で説明に納得いかない、不安が残るといった場合はセカンドオピニオンをおすすめします。

ただし、実際にセカンドオピニオンで来られる方で多いのは、主治医とのコミュニュケーション不足が元で、主治医がどういう理由でその治療を提示したのかがわかっていないために確認に来て、説明を聞いて納得して帰るケースが多々見受けられます。

主治医の提示した治療に関して理解できない場合は、忙しい外来中でなかなか十分な時間をとることは難しいかもしれませんが、大切な治療ですので疑問や不安があれば、まずは主治医に確認するのが一番です。

また、心配しすぎて、2nd, 3rd, 4th オピニオンを求めて時間をロスし、治療が遅れてしまうとなると本末転倒ですので、治療が待てるのか否かも大切ですので、主治医にきちんと相談してください。

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[備考] 本オピニオンは、医師が経験に基づき一般的な医学的見解を述べたものに過ぎず、個別の事例についての所見を述べたものではありません。 個別の症例については、必ず医師に直接ご相談下さい。

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