乳がん検診で要精密検査と診断された場合は、専門医のもとで精密検査をうけることになります。こちらで要経過観察と言われた場合は、その指示に従うのが良いと考えます。
もし、精密検査で乳がんの可能性が極めて高ければ、最終的には針生検を行って、診断を確定させることになります。しかしながら、針生検の検査は侵襲や合併症を伴う検査であるため、超音波などの画像検査のように気軽に行うことは推奨されません。そのため、何らかの異常が乳房で発見されても、良性の変化である可能性が高い場合は、経過観察を行うことになります。
一方で、精密検査で良性であることが確定的である場合は、次年度の乳がん検診を受診することを指示されます。
ですので、「経過観察をしましょう」と言われた場合は、「まず良性の腫瘍なり変化で間違いないが、確定はできない」ので、「念のため時間をおいて検査を行うことが適切である」と判断されたと考えましょう。つまり、乳がんである可能性はとても低いが、可能性を否定しきれないケースに相当するということです。
乳がんの可能性がわずかながらでもあるとすると、1年後の検診だと遠すぎますので、病変にあわせて4ヶ月-6ヶ月後に再度検査することが多いと考えます。その際の結果で、腫瘍が増大していたり、石灰化の範囲が広がっていたりと、増悪を示すようであれば針生検を再度検討することになります。
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[備考] 本オピニオンは、医師が経験に基づき一般的な医学的見解を述べたものに過ぎず、個別の事例についての所見を述べたものではありません。 個別の症例については、必ず医師に直接ご相談下さい。