マンモグラフィーで石灰化があると言われましたが、どのようなものですか?- 林田医師のオピニオン

林田 哲 医師
[オピニオン]
慶應義塾大学病院 ブレストセンター長

マンモグラフィー検査において、乳房超音波検査との違いで最も顕著な部分は、この石灰を検出する能力が優れているところです。

石灰化とは、カルシウムの沈着が乳管内に存在する状態がレントゲンで確認されたものです。このカルシウムの沈着は、乳管内に様々な変化が発生することで生じるのですが、その変化の一つに「乳がんの存在」があることが知られています。

医師がマンモグラフィーを読影する際に石灰化を確認した場合は、石灰化自体の形状や分布のパターンから、その石灰化に対応するマンモグラフィーのカテゴリー分類を行います。

例えば、大きくて中心が抜けた石灰化が一つだけある場合はカテゴリー2。細かい丸い形状の石灰化が一カ所に集中していれば、カテゴリー3、といった具合です。

乳がん検診のマンモグラフィー検査では、カテゴリー3以上と判断されると要精密検査となり、専門医による精密検査が必要になります。

前述したように、カルシウムの沈着は乳管内に変化が生じた場合に発生するので、その変化の理由は様々です。乳がんはそのうちの一つでしかありませんので、「マンモグラフィーで石灰化が発見された」=「乳がんの診断」ではありません。

石灰化がありますと言われた場合でも、過度に恐れずに医師の指示に適切に従いましょう。

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[備考] 本オピニオンは、医師が経験に基づき一般的な医学的見解を述べたものに過ぎず、個別の事例についての所見を述べたものではありません。 個別の症例については、必ず医師に直接ご相談下さい。

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