乳がん治療、標準治療と先進医療のどちらを受けるべき?- 三階医師のオピニオン

三階 貴史 医師
[オピニオン]
北里大学病院 乳腺・甲状腺外科 主任教授

「先進医療」は、厚生労働省が将来の保険適用を検討するために保険診療(=多くの場合は標準治療)に併せて自己負担で行うことを認めている、新しい医療技術を用いた治療のことです。

厚生労働省の指定を受けた医療機関でだけ行うことが認められ、安全性や効果が評価されます。乳癌に関しては転移性乳がんに対する重粒子線治療などが2021年現在行われています。

乳がん治療の選択は、それぞれの患者さんの状態、乳がんのサブタイプやステージに合わせて選択されるべきで、標準治療か先進医療、の二択ではありません。

患者さん自身の状況により標準治療と言われる治療法も1つではないことは多く、患者さんそれぞれが、各治療法をよく理解したうえで最適な治療法を選択することが大切です。

標準治療と合わせて行う先進治療がオプションの一つとなる患者さんはいらっしゃると思いますので、興味がある場合や、主治医に勧められた場合はその必要性やメリット、デメリットを詳しく聞いてみると良いとおもいます。

三階先生の情報を見る
[備考] 本オピニオンは、医師が経験に基づき一般的な医学的見解を述べたものに過ぎず、個別の事例についての所見を述べたものではありません。 個別の症例については、必ず医師に直接ご相談下さい。

オピニオン一覧に戻る