がんが乳管や小葉の内部にとどまっているものを「非浸潤がん」といいます。がんが乳管や小葉の中にとどまらず、近傍の組織に入り込んだり、血管・リンパ管から全身に移行するタイプのものを「浸潤がん」といいます。
浸潤がんは、転移などを起こす可能性のあるタイプで、全身の病気と考えられています。浸潤したがん細胞は、乳管の外にあるリンパ管や血管の中に入り込むことができるようになるため、浸潤がんの部分が大きくなると転移を起こす率が増えます。
最終的に判断されるがんの大きさは、浸潤がんの大きさで判断されます。触って1cmしかない乳がんでも、浸潤がんの広がりが3cmの場合、それは3cmの乳がんと判断されます。逆に、5cmの広がりがあっても、浸潤がなく、それが全て非浸潤がんであれば、0cmの乳がんと判断されます。
浸潤がんは、転移により、以下のように乳がんが広がることがあります。
がん細胞のあるものはリンパ管を伝わって一番近くのリンパ節(通常は同じ側のわきのリンパ節)に行き、そこでしこりを作るようになります。これを、リンパ節転移といいます。
浸潤がんでは、がん細胞が血管やリンパ管を通って骨や肺、肝臓などの他の部位に転移します。これを「遠隔転移」といいます。