乳がんの多くは、乳管の細胞ががん化して発生します。乳がんは、主に、乳管や小葉の中にとどまっている「非浸潤がん」と乳管や小葉の外にまで広がっている「浸潤がん」に分けられます。
浸潤がんでは、がん細胞が血管やリンパ管を通って骨や肺、肝臓などの他の部位に転移します。これを「遠隔転移」といいます。
「転移」とは、最初にがんができた臓器から、がん細胞が、血液やリンパ液を介して他の臓器に運ばれ、そこで新しいがん細胞のかたまりを形成することをいいます。
最初から転移を伴う状態で見つかる場合も、初発の乳がんの治療をくぐり抜けて転移が出てくる場合もあります。血液やリンパ液に流れ出たがん細胞は全身の臓器に転移し得ますが、乳がんの場合、リンパ節、皮膚、骨、肺、肝臓、脳への遠隔転移が比較的多くみられます。
このような転移は乳がんがしこりとしてみつかるだいぶ以前から、すでに微小転移の形で存在し、1cm前後の大きさに増殖するとCT、MRIやPET-CT、骨シンチグラフィなどで遠隔転移としてみつかるようになります。乳がんと診断された時点で微小転移を直接確認することはできませんが、乳がんの性質や発見された時期から推定します。
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