乳がん手術、乳房を全摘出すると不便になることはある?- 林田医師のオピニオン

林田 哲 医師
[オピニオン]
慶應義塾大学病院 ブレストセンター長

乳房全摘手術を行うことは、患者さんにとって非常に大きな決断でありますが、一方で身体的に、例えば特定の体の部位が特に動かしにくいというような後遺症が残ることはほとんどありません。

腕を上げるときに軽度のひきつれ感や、軽い痛みや逆に皮膚の感覚がなくなる症状を自覚される方が中にはいらっしゃいますが、時間の経過とともに改善していく傾向にあると考えます。

ただし、手術を行った創部がピリピリしたり、ズキっするような痛みが何年も継続する事はよく経験されますが、再発の兆候であることは稀ですので、心配する必要はありません。

体の左右のバランスが崩れるのではと心配される方がいらっしゃいますが、そこまで大きな乳房でなければあまり心配しなくてもいい点かと思います。

一方で、容姿(見た目)に対する影響はとても大きいため、乳房を全摘出した場合、温泉やプールに行きにくいという悩みをこぼされる患者さんは多数いらっしゃいます。

現在は乳癌手術をされた患者さんだけを受け入れる期間を設ける温泉宿も増えてきていますので、そのようなサービスを利用するのも良いかもしれません。

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[備考] 本オピニオンは、医師が経験に基づき一般的な医学的見解を述べたものに過ぎず、個別の事例についての所見を述べたものではありません。 個別の症例については、必ず医師に直接ご相談下さい。

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