用語:悪性葉状腫瘍

葉状腫瘍は、乳腺に発生する比較的稀な腫瘍で、良性のものもあれば悪性のもの(再発や肺などに転移するもの)もあります。

悪性葉状腫瘍の頻度は、乳がん全体の0.1%以下とされ、稀な症例です。好発年齢は40歳代と乳腺線維腺腫よりやや高めです。日常診療の場では3cm以上の大きな腫瘤であることが多く、時には小児頭大に及ぶこともあります。

超音波やマンモグラフィでは、しこりが小さいうちは線維腺腫と同じような像を呈しますが、大きくなると分葉状となります。針生検などで葉状腫瘍と診断された場合、腫瘤摘出術(手術)を行います。病理学的には、良性・境界・悪性に分類されます。

葉状腫瘍の特徴として、良性であっても局所再発を認めることがあります。そして局所再発を繰り返すうちに悪性度が増すものもあるため注意が必要です。このため摘出にあたっては2cm程度の余裕をもった広範囲切除を行います。

基本的には予後は良好ですが、悪性の葉状腫瘍では肺などに転移することがあり、この場合、乳がんと違って抗がん剤も効果が期待できないため予後不良となります。

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