用語:乳腺症

乳房にしこりや痛みを感じると、乳がんと心配になるケースが多いですが、多くの場合乳がんに痛みは伴ないません。

乳腺症は、痛みやしこりがあり、30~40代の女性に多く見られる乳腺の変化の症状です。

女性ホルモンの影響を受けやすく、生理や排卵の周期と連動します。そのため痛みも長く持続するものではありません。特に更年期や閉経前の年代は、女性ホルモンも変動しやすく、連動してその都度、乳房に痛みを感じることもあります。

主な原因としては、女性ホルモンのエストロゲンが過剰になると、乳管周辺の血流が3割ほど増えるため、乳管と乳管周辺が刺激されて腫れてきます。
腫れることで乳腺の容量が増え、周囲が突っ張るような感覚や痛み、しこりのような硬さなどの症状が出るのです。

乳腺症の主な症状は以下の通りです。

しこり

乳腺症では、片側あるいは両側の乳房に、しこりを感じることがあります。しこりの大きさは不揃いで複数ある場合もあります。

疼痛(とうつう)

乳腺症の症状として、乳房全体に張りや痛みを感じることがあります。胸のしこりの自覚症状がある場合、しこりは何もしないでも痛むか、押さえると痛むことが多いでしょう。しこりの痛みは生理周期と連動します。

異常乳頭分泌

乳腺症の症状として、乳首から分泌液が出ることがあります。分泌液は乳汁のような濁った液体だったり、さらりとした透明の液体だったり、血液が混ざったような液体だったりします。

血液が混ざったような液体が出る場合は「血性乳頭分泌」と言われ、乳腺の良性疾患であることが多いですが、乳がんが隠れている場合もあります。

用語集に戻る