乳がんには、女性ホルモンである「エストロゲン」や「プロゲステロン」を吸収し、あたかも“食べ”て栄養にするような仕組みで増殖する「ホルモン依存性の乳がん」があります。女性ホルモン依存性の乳がんは、全体の70~80%と言われています。
「ホルモン療法(内分泌療法)」は、薬剤によってエストロゲンの量を減らしたり、がん細胞がエストロゲンを取り込むのを阻害したりすることで、がんの増殖を抑えて死滅させることを目的とした治療法です。
ホルモン療法が有効かどうかは、手術や針生検で採取した乳がんの組織を調べて判断します。もし、組織の中にエストロゲン受容体、またはプロゲステロン受容体のどちらか一方、または両方があれば「ホルモン受容体陽性」と判断され、ホルモン療法が有効な可能性が高いと考えられています。
どちらもなければ「ホルモン受容体陰性」となり、ホルモン療法での効果は期待できない乳がんということになります。