上皮性腫瘍とは、皮膚の表皮のように、表面をおおう細胞(上皮)に発生する腫瘍をいいます。
腫瘍は身体のあらゆる細胞から発生し、以下に分けられます。
1)良性上皮性腫瘍
2)良性非上皮性腫瘍
3)悪性上皮性腫瘍(がん腫)
4)悪性非上皮性腫瘍(肉腫)
通常は、3)と4)を「がん」と呼びます。
良性腫瘍は、発育速度が遅く、転移はみられず、局所再発も少ないという特徴があります。
悪性腫瘍は発育速度が速く、転移が多く、局所再発も多いという特徴があります。
乳房にできる上皮性腫瘍としては、乳管のなかにできる良性の乳管内乳頭腫や乳管に分泌液が溜まり袋状になった囊胞内にできる嚢胞内乳頭腫などがあります。これらは、超音波画像診断などでは腫瘤性の病変として認識されますが、乳頭状型の非浸潤性乳管がんとの鑑別診断をすることは時に非常に難しいことがあり、針生検で乳管内乳頭腫とされた場合でも、画像診断で非浸潤性乳管がんを疑う場合には切開生検を行い、診断を確定する必要があります。