用語:高濃度乳腺(デンスブレスト)

高濃度乳腺は乳房内の乳腺の割合が高い乳房のことで、デンスブレストと呼ばれ、これ自体は異常なものではありません。課題は、検診時のがんの検出率が落ちるという点です。

デンスブレストは、乳腺が広がることにより少なく見える脂肪の割合により、脂肪性、乳腺散在、不均一高濃度、高濃度に分類されます。高濃度乳房(デンスブレスト)とされるのは、そのうち、不均一高濃度、高濃度のものをいいます。全体の4割程度の人が高濃度乳房(デンスブレスト)となっているのが日本の現状です。

マンモグラフィ検査におけるデンスブレスト

マンモグラフィ検査では下記の画像のように白く映ってしまうため、下図のようにしこり(腫瘤)があったとしても、白い乳房の中に白い病変を見つけることが難しくなります。

デンスブレストの人をマンモグラフィ検査すると、がんである場合にきちんと発見される割合(感度)は7割以下に落ちます。一番白く映る高濃度の場合は、5割以下に落ちることも報告されていますので、デンスブレストの人にとってマンモグラフィ検査だけでは安心できないのが実情です。

超音波検査におけるデンスブレスト

超音波検査はマンモグラフィとはまったく別の方法で検査するため、デンスブレストの乳房においてもしこり等を検知できるため、超音波検査を併用して行うことがより重要となります。

デンスブレストの年代別傾向

デンスブレストは、若年(20-40歳代)に多くみられる傾向にあります。現在までの統計によると、日本の40歳以上の女性の4割がデンスブレストにあたるといわれています。

デンスブレストは、年齢(特に閉経状態)や授乳経験とともに解消していく傾向にあります。乳腺に変化がなく高濃度乳腺のままの方は、乳がんの発症率がやや高くなる可能性があるとの指摘もあります。

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