BRCA(ビーアールシーエー)タンパク質は、DNA(デオキシリボ核酸)に生じた変異を修復するタンパク質です。
BRCA1タンパク質またはBRCA2タンパク質を作り出す遺伝子のどちらか一方に変異が起こると、異常のあるBRCA1タンパク質またはBRCA2タンパク質が作られ、それによりDNAに生じた変異をうまく修復できなくなり、がんが発生しやすくなると考えられています。
欧米のデータでは、乳がん患者の約5-10%は遺伝性であると考えられており、BRCA1またはBRCA2遺伝子のどちらかに変異が確認されることが多くあります。
健康な人で、BRCA1またはBRCA2遺伝子に変異が確認される割合は、日本人でははっきりわかっていませんが、欧米では400~500人に1人といわれています。そのほかに、前立腺がんの患者さんの数%程度に、BRCA1またはBRCA2遺伝子の変異が確認されるという報告があります。また、近年では膵臓癌の発症にも関わることが指摘され始めています。